NO50 「心の理論」について

 誰でも自分には心があることを知っています。ただし、ここでいう心とは、やさしいとか思いやりとかという道徳的な意味を含んだものではなくて、普通に感じたり、考えたり、想像したりする人の精神作用としての心の意味です。自分に心があるように、相手にも心があるということが分かるようになるのは4歳頃からだと言われています。それを試す実験があります。

 赤い箱と青い箱を用意して、幼いA君とB子さんの前でお菓子を赤い箱の中に入れてフタをします。その後、B子さんだけ部屋の外に出てもらって、その間にA君の目の前でお菓子を青い箱の方に移します。そして、A君に対して「B子さんが戻ってきたらどちらの箱を開けるだろうか?」と質問します。A君が「青い箱」と答えたら、A君は相手(B子さん)に心があることを理解していない、つまりA君にはまだ心が育っていないとみなします。「赤い箱」と正しく答えた場合は「心の理論」ができていることになります。

 このように、人には「心の理論」があるので行動を起こす前に、相手がどう考えるかを推測することができるのです。

 4歳頃に身に付ける心はいわば持って生まれた能力ですが、

その後親や大人から教えられ身につく心があります。それが優しい心とか思いやりの心とか言われているものです。

 皆さんも子供の頃「我がままを言ってはいけません、聞きわけのない子、分からず屋」等と

 叱られたことがあるでしょう。このような社会的な心は親からのしつけや仲間

 と喧嘩したり仲直りしたりという自分の経験の中で身につくものです。

 弱い者をいじめる子は、相手の気持ちを推測できない子です。いじめの傍観者もいじめられている子、いじめている子両方の心を推測できない子です。絶対してはいけないことをしている子、されている子を見たら、まず自分の中にある心のことを思い出してください。そしていじめをなくすために何らかの行動を取ることができたら、あなたには道徳的な意味の心が育っていると言えるのです。



     私(管理人)は大人になってから『人には皆心がある』と思い知らされる毎日です。